今回は「ドラッカー経営学」から
「自分が求めらている知的労働での成果の性質を知る」という話をして行きます。
【目次】
知的労働の種類
「知的労働」と言っても数多くの職種が存在します。例えば弁護士さんや税理士さん、弁理士さんなどの士業の方々や医師などの専門的な分野の知識労働もありますし、作家さんや画家さんなどの芸術家のような職種もあります。他にも研究や服や家をデザインするデザイナーさんなども「知的労働」と考えられています。かなり大雑把な言い方をしましたが、「建築をデザインする職種」と「服をデザインする職種」では同じ専門性なわけがありません。他にも「知的労働の種類」を挙げていけばキリがないくらいあります。ですが、ここで重要な事は細かな職業の事ではないので、「専門性がある職種」というような、かなり大雑把な言い方をしました。もちろん、それぞれの職種で求められる成果は違いますが、求められる成果というのは大きく分けて3つあります。
3つの知的労働
先ほど、弁護士さんなどの「士業」やデザイナーさん、作家さんなどが「知的労働」になるという話をしたのですが、知的労働にも三種類あるのです。
その三種類の知的労働では、それぞれ求められる結果が違ってくるのです。ですから、自分が求められる成果を把握して、それを結果として出して行く事が重要になるのです。
【質を問われる知的労働】
この種類ではそのままなのですが「質」が重要な成果になります。例えば、デザイナーさんや作家さんなどは、この種類に当てはまります。
デザイナーさんは「量」をこなすことが重要なのではなく「売れる」ようなデザインを作成することが重要になりますね。作家さんにしても「1ヶ月一冊ペースで本を出すこと」が重要ではなく、もちろん締め切りなどもあると思いますが、基本的に読者を魅了するような本を書くことが重要になるでしょう。
また、研究者さんなども同じで、誰でも出来るような研究をたくさんやっても評価を得られるわけではなく、優れた成果や結果出すような研究をするからこそ評価を得られるのです。まさに「量より質」が問われるのがこの種類の特徴です。
【量を問われる知的労働】
「安かろう悪かろう」というのではありません。「安ければ質が落ちても良い」という仕事であれば、それは「知的労働」ではなく、単純作業のような工程になりますのでどちらかというと「肉体労働」になるでしょう。
ここで「量」を問われているのは「最低限度プロフェッショナルな質」はあるという事が前提での話になるのですが、だからと言って先ほどの「質を問われる知的労働」よりも「量」をこなす必要がある。ということです。
例えば、データ入力の仕事をしている人であれば「正確に入力する」ということが前提にはなりますが、やはり「量をこなす」という事で評価を得る事になります。
【質と量を問われる知的労働】
「質」も「量」も両方とも問われると思うと、とても大変そうに感じますが、この種類が私たちにとって最も身近な、というか携わりやすかったり、自分がその仕事に付いていたりします。
この種類で言えば「営業」をされている人、店舗マネージャーさんなどが、この種類に当てはまります。恐らくですが先ほどの種類で言うなら「質」の弁護士さんや研究者さん等より、店舗マネージャーさんや営業さんなどの方が商業人口として多いと思います。ですから、私たちに最も身近な知的労働と言えるのです。
「質と量」で言えば「売上などの伸ばす」という事は「質を上げる」ということですし、「顧客を増やす」などで言えば「量を増やす」ということになるのです。
これらの種類で自分が「求められているものは何か?」ということを理解しておくことが重要な事になるのです。
目的、求められる成果を理解する
先ほど、3つの知的労働の話をしましたが、種類が分かっただけではあまり意味はありません。その種類それぞれに「目的」や「求められる成果」があるのですから、それを理解して、成果を上げて行く事が重要なるのです。
成果を上げる方法
「なかなか成果が上がらない」という人は大勢いると思いますが、「やるべき事を忠実にくり返していれば成果が上がる」と言われていますので、その「やるべき事」が分かればよいという事になりますので、その話をして行きましょう。
まず「高い能力を持った人の登場に期待しない」ということです。確かに自分の部下に「何でも出来て頭脳明晰で人望もあって人を動かせる」ような人がいたら、とても仕事は楽だと思いますが、実際にはなかなかいないものです。確かに目覚ましい成果を上げる人なども、もちろんいますが、そのような人でも「すべてが完璧」というワケではありませんし、そもそもそのような人が自分の元にくるかどうか分かりません。
ですから、そのような人の登場に期待しないで「今いる人たち」を上手に使って行く事で成果を上げて行くほうが有意義なのです。
強みを伸ばす
誰しも「得手不得手」というモノがありますし、自分が得意なものであっても、その得意なものが活かせない環境であるために埋もれてしまっていることも多々あります。ですから、誰にでもある「得な事=強み」を活かしてあげる環境を作って行く事が重要なのです。
昔、飲食店でアルバイトをしていた時に「どのポジションでもすべてやる」という職場でしたので、調理も接客も呼び込みや(簡単な)データ入力などみんなで順番にやっていました。「誰でもすべての事が一定でできる」というメリットはありますが、目覚ましい成果を出すには、やはりそれぞれのポジションで「プロフェッショナルを育てる」方が有意義です。例えば「調理にかけては並々ならない情熱があるけど接客が苦手」という人に「接客が悪い」という理由で良くない評価をすることはナンセンスと言えるでしょう。もちろん、アルバイトでも出来るレベルの最低限のことは出来てもらわなくてはいけませんが、よりその人を活かすのであれば、言うまでもなく「調理専門」にして、「苦手な部分」は他の人が補えるような「チームワーク」が重要になるのです。
仕事し仕方の改善
先ほど「調理が得意で接客が苦手」という人がいた場合は、「調理専門にした方が良い」という話をしましたが、このくらいの事であれば誰にも分る事でしょう。重要な事は「人の能力は個々の能力の飛躍的増大ではなく仕事の仕方の改善によって実現する」という事と「ここの能力は先天的なモノだけではなく教育や訓練によって習得できる」と信じることです。
フレデリック・テイラー「科学的管理法」
もちろん、ただ「キミならできる!」と信じるだけではなく、
「仕事を要素ごとに分解する」
「分解した要素を要・不要に分ける」
「必要な要素だけで仕事を組み立てる」
「不足している要素を加える」
「最適な道具をそろえる」
「上手に行えるように教育・訓練する」
という手順に従って置くなって行くと良いでしょう。この手順はフレデリック・テイラーが提唱した「科学的管理法」に基づくものとなっています。
これらの手順に沿って教育・訓練が出来ているか、今一度、振り返ってみてはいかがでしょうか?
今回の動画は「仕事運・出世運」で有名な日枝神社さんにある千本鳥居の動画です^^
【仕事運・出世運のパワースポット】日枝神社の千本鳥居~Hie Jinja Shrine - Tokyo~