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生産性に関して

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今回は「ドラッカー経営学」より

「生産性に関して」という話をして行きます。

 

【目次】

 

 

 

生産性とは

 

生産性とは簡単に言うと「インプット(投入量)」と「アウトプット(産生量)」の差ということになります。簡単な式に直すと「生産性=インプットーアウトプット」という事になります。ですから「生産性を向上させる」という事は簡単に言えば、先ほどの四季の差を大きくしていくという事なのです。言い換えれば「売れる商品やサービスをいかにより良く、より速く、より安くつくるか」という事なのです。

 

これらを踏まえて会社の業績を上げるには

1、必要な価格で

2、必要な品質のものを

3、必要な期間内に

4、必要な数量を

5、必要な柔軟性をもって生産するか

ということに掛っている。ということです。

 

経営資源の有効活用

 

会社が価格を設定するためには原材料費、資源、利益を足したものにしなくてはいけません。原材料費はそのままですが、「資源」とは、いわゆる経営資源「ヒト・モノ・カネ」の事です。それに「利益」をプラスしたものでなくてはいけません。ですから、「原価以上」の価格で買ってもらうためには「資源の有効活用のノウハウ」が必要になるのです。このノウハウが有るか無いか、または優れているか、劣っているかで業績の差となって行くのです。ですから「生産性は経営能力を測るモノサシ」と言えるのです。同じ業界内で同じような商品で同じような顧客層をターゲットとしているのに企業間での優劣が付くのは、このノウハウによるものと言えるのです。

ですから、「生産性を向上する」ということにおいて必要になるのは「たくさん動いて生産性を上げる」というような肉体労働ではなく、反対にヒト・モノ・カネという資源を有効活用していく知的労働が重要になってくるのです。

 

言い換えれば「肉体労働を減らして行く事」で生産性を上げて行く。ということです。

どういう事かと言えば、例えば、私たちが重たい荷物を運ぶのには個人差もありますし、限界があります。ですが、それを「機械化」することによって大幅に生産性が上がるワケです。これを実現するには「資金=カネ」という経営資源が重要になります。

そして、以前も話したようにドラッカーは「唯一の経営資源は人(=知識)」と言っているのですが、先ほどの「機械化」ということがなくなる事はないですが、それと同じか、それ以上に重要になってくるのは「知識=ヒト」なのです。なぜなら「想像力」「ビジョン」「理論」「分析力」「知覚力」を持つのは「知識のある人=知的労働者」という事になるのです。それらの人々の割合のことを「ブレーン(頭脳)形成率」と言い、どれくらい揃えられるかが重要になって行くのです。

 

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4つの生産要素

 

決算書などの会計上のモノでは表すことのできない「4つの生産要素」というモノがあります。その4つの要素は目に見えるものではないのですが、生産性に大きな影響を与えているのです。その4つの生産要素とは

1、時間

2、商品の組み合わせ

3、プロセスミックス

4、会社の組織や活動のバランス

です。

 

「時間」は限られた時間を有効に使う事が出来ていないと生産性が著しく低下することは言わずものがなです。

「商品の組み合わせ」は売れてない商品を陳列したり製造したりするよりも、それらを廃棄したり生産中止にしたりして、別の「売れる商品」を製造したり陳列するほうがはるかに生産性は上がります。

「プロセスミックス」は自社ですべてを製造することが有効なのか、それとも外部に委託した方が良いのかということや、自社ブランドでの販売が良いのか、それとも相手先のブランドの方が良いのかなどでも生産性は異なります。

「会社の組織や活動のバランス」は顧客を優先にしなくては行かない時期に社内の都合を優先したり、長々と意味のない会議をして拘束されたりなど「ムリ・ムラ・ムダ」が多ければ多いほど生産性は低下します。

 

このようなことはよくある事なのですが、そのような事が多ければ多いほど、生産性は低下し続けるので、生産性を向上させるためにも「生産性向上の手順」を知っておくことが大事になります。

その手順とは

1、どのような生産システムの原理があるかを知る

2、それぞれの原理(特徴)を理解する

3、すべての職場を対象に考える

4、どの原理を適用するかを決定する

5、適用した原理を一貫して使う

ということです。

 

「生産システム」というと「製造現場」を連想するかも知れませんが、製造現場だけではなく、会社そのものが「顧客満足」を生産することを前提にしていれば、小売業でも卸売業でも同じように必要なものになりますし、営業や経理、品質管理などの「直接的に生産に携わらない部署」でも「生産性を高める」という意味でのシステムは必要になります。

「何かを生み出す」という活動は原材料や機械にかけることだけではなく、生産の論理を仕事に適用することですので、その論理がそれぞれ固有の能力や固有の技術、固有の仕事を要求するのです。

 

 

 

4つの生産システム

 

生産システムには4つの種類があり、それぞれ以下のとおりです。

 

1、個別生産システム

自己完結型の大型艦船や高層ビルなどがあります。

2、硬直的な大量生産システム

向上での大量生産される部品や装置などがあり、ホームセンターや文具店に並んでいる商品のほとんどがこのシステムで作られています。

3、柔軟な大量生産システム

使用する原材料、道具、部品は「2」と変わらないのですが、「最終商品」が多様化されています。同じ部品や道具を使っているのに、最終的に同じ車でも色違いの車が出来るのをイメージしてもらうと分かりやすいと思います。

4、流れ生産システム

「プロセス生産」とも言い、石油精製やミルク工場などの生産方式で、宅配便などの運商業も同じ原理です。オートメーション化に最も適していて、単純作業などにも適用できます。

 

これらの事を理解し、それぞれに適用して行く事で生産性を高めて行く事が出来るのです。