ビジネス書籍や経営哲学や経営学などに関する話

ビジネス書籍や経営学や経営哲学など学んだ事を書いて行きます

知識をマーケティングやイノベーションに活かす

f:id:hikiyose2:20181117120244j:plain

 

今回は「ドラッカー経営学」より

「知識をマーケティングやイノベーションに活かす」について話して行きます。

 

【目次】

 

 

 

 ドラッカーがいう「知識を得る」ということ

 

一般的に「知識を得る」という事は本を読んだり勉強会やセミナーに参加したりして「今まで知らなかった事を知る」ということに対して使う言葉です。ですが、ドラッカーのいう「知識」とは異なるモノなのです。本を読んだりセミナーや勉強会に行ったりして学んで来たものは「知識」ではなく「情報」にすぎないのです。知らないことを学んだりすることは、もちろん有意義なのですが「得た情報」を「知識」にするためにはどうしたら良いのでしょうか?という事になりますが、それは「得た情報を仕事に使い、成果を上げて、はじめて知識になる」ということです。

例えば、私は料理をまったくやらないのですが、その私が料理の事について本や勉強会で多くの事を学んだとしましょう。その学んだ事を活かさず、いっさい料理をしなければ、それは「知識」ではなく「ただの情報」という事なのです。

 

「知識」とは情報を「成果」に結び付ける能力の事

 

優秀な人とそうでない人の大きな違いは「知っている事」を「成果」に結び付けられるかどうか。ということです。学んだ事を仕事に活かして成果を出すことが出来なければ、その学んだ事は「雑学」でしかない。ということなのです。

ですから、たくさん本を読んだりセミナーに行ったりして情報を得たとしても、それを活かすことが出来なければ「雑学」や「趣味の範疇」という事になってしまいます。もちろん、趣味であれば余暇を使って、どのような事を学んでも良いと思いますし、人生に幅が出て良いと思いますが、そうではないのであれば、成果に結びつけて「情報」や「雑学」ではなく「知識」としたいところですね。

 

ドラッカーは「顧客が事業であるのと同様に、知識が事業である」と言っていて、「商品やサービスは会社がもつ知識と、顧客がもつ購買力の効果の媒体」とも言っています。言い換えれば「知識」とは「顧客満足を得るためのノウハウ」が「知識」なのです。高い利益を上げている会社にはその知識やノウハウがあるということであって、私たちが学んで行くべきものは「雑学」ではなく「成果を上げるための知識」なのです。

 

 

 

マーケティングとは

 

「マーケティング」に関して世の中には数多くの書籍があり、ここですべてを話すことは出来ません。というより私も完全にマスターしているワケではありませんし、そもそも何をもって「完全にマスターした」といえるのか分からないというくらい、奥深いものですので簡単なさわり程度の話になります。

 

ドラッカーは「会社の目的は顧客を創造する事」と言っていますので「顧客を創造する」ためには当然、顧客に買ってもらう仕組みが必要になります。ですから、企業は「自分たちが売りたいモノを作る、仕入れる」というのではなく「顧客が買いたいモノを作る、仕入れる」という事が必要なのです。ですからマーケティングとは「顧客を起点とした事業活動の全体」ということになり、「市場調査」や「販売テクニック」「広告」などはマーケティングのごく一部にすぎないのです。

 

マーケティングの究極の目的

 

本当のマーケティングとは「顧客は何を買いたいか」を起源としますので「顧客が考える価値」「顧客にとっての効用」「顧客の事情」を知らなくてはいけません。「どのようなモノを作りたい、売りたいか」ではなく「顧客が求めているものは何か」を探すことからスタートするのです。それが分かる商品は爆発的なヒット商品になるのですが、結構「主婦が考えた商品」が大ヒット商品になるのは、主婦の人たちが「あったらいいな」と思うモノが商品になるので、まさに「顧客(ここでは主婦さん)が求めるモノ」になっているからです。

 

では、マーケティングの究極の目的とは、そのようなところから爆発的な人気商品を開発することなのでしょうか?それとも「爆発的に売れる仕組み」を作ることでしょうか?ほとんどの人はマーケティングとは市場調査など「販売方法の一部」と考えていますが、実はその反対の事がマーケティングの目標なのです。どういう事かと言いますと「販売を無く事」がマーケティングの目標なのです。分かりりやすく言えば「販売を極力なくし、販売しなくても売れる仕組み」を作ることがマーケティングの究極の目的なのです。

 

ですから「マーケティング」とは「顧客を起源とする事業全体の思考と行動」の事であり、その究極の目的とは「販売をなくす事=売らなくても売れる仕組みを作る事」という事になるのです。

そのために大切なものは

1、顧客にとっての効用

2、顧客にとっての価値

3、顧客にとっての価格

4、顧客の事情

ということになるのです。

 

f:id:hikiyose2:20181119023358j:plain

 

イノベーションとは

 

「イノベーション」とは一般的には「技術開発」や「技術革新」などの事を指しますが、先ほどのマーケティングが「市場調査」や「販売テクニック」だけを指すのでは二のと同じように、単に「技術革新」などだけがイノベーションではありません。

イノベーションとは「技術開発だけではなく新しい経済価値を生み出す活動全体」を指し、具体的に言えば

1、商品やサービスの開発

2、新しい市場の開発

3、技術の開発

4、顧客価値の創造

5、業務改善や確信

ということになります。

 

なぜ、イノベーションが必要になるかと言えば、同じような商品を同じような顧客層に販売し続けると必ず「価格の下落」を起こす事になるのです。ですから、価格を下げないためにも商品や販売方法などに工夫が必要になるのです。

ということから、先ほどもお話したように「技術だけではなく新しい経済価値を生み出す活動全体」という事になるのです。

 

マーケティングにしてもイノベーションにしても、学んだだけで活かすことのできない「情報」では何も成し遂げることは出来ません。

ですから、学んだ事を活かして成果を出せる知識(ノウハウ)にして行く事が重要な事になって行くのです。