こんにちは
クローバーです^^
今回の中小企業診断士試験のまとめは「企業経営理論」で主に「ドメイン」について話していきます。
【目次】
ドメイン
⇒企業の方向性や戦略を決める
ドメインは「会社の方向性を決める」という事に関して非常に重要です。
・事業領域を決める
⇒競合企業と戦う土俵を決めるという事。
例えば「陸上でオリンピックに出場を目指す」という場合には「100m走」「マラソン」「走り幅跳び」「ハンマー投げ」などの種目があるワケですが、最初に考えるのは「すべての種目でオリンピックに出場する」というのは不可能ですから「どの種目でオリンピックを目指そう」という事になると思います。
全ての競技で目指そうとすれば、例えばハンマー投げのトレーニングで筋トレをして筋肉と体重を増やしたとすれば、マラソンでは体重が重くなって遅くなるでしょう。ですから、「それぞれの種目に合ったトレーニング」をしなくてはいけないワケです。
「小さい頃からマラソン大会は遅かったけど、力持ちだった」というのであれば「ハンマー投げ」でオリンピックを目指す可能性が高いでしょう。そうなれば「ハンマーを遠くに投げるためのトレーニング」をひたすらやれば良くて、「マラソンが早くなるためのトレーニング」は一切必要ではなくなるワケです。
→要するに「戦う土俵を決めて、そこに集中して時間と労力を使う」という事に関して「戦う土俵を決める」という事が「ドメイン」なのです。
・自社のアイデンティティ:
→自社にしかない個性=他社との差別化
エイベルのドメイン理論
ドメイン(事業領域)とは、企業が活動し存続していく事業領域のことです。ドメインを決定することで「向かうべき方向」が示され、「競合と戦う土俵」を定めることができます。ドメインを定義することで「自社のアイデンティティ」や「自社の基本的性格」を規定することになるのです。
エイベルは、次の3つの軸に類型化してドメインを定義しています。
①顧客層(WHO
→誰が顧客層になるのか
②機能(WHAT)
→どういう機能を提供すればニーズを満たせるか
③技術(HOW)
→中核となる技術は何か、どのような技術を中心に事業展開していくのか
つまり、どのような顧客層をターゲットにし、その顧客層にはどのようなニーズがあり(機能は製品やサービスが満たすべき顧客ニーズのこと)、そのニーズに応えるにはどのような技術が必要か、といった観点でドメインを定義していきます。
例えば「中規模スーパー」を考えます。この中規模スーパーが環境分析したところ「郊外型大型店」が数年前から台頭し「主婦の社会進出」が多くなってきたことが分かりました。
郊外型大型店と中規模スーパーでは、規模が違いますので、同じ「顧客層」で戦ったのでは勝ち目はありませんので顧客層を分析すると次のようになります。
【比較対象】中規模スーパー:郊外型大型店
【顧客層顧客層(WHO)】専業主婦:共働き主婦
という感じで、郊外型大型店の顧客層は「共働き主婦」という事で「土日などにまとめ買いをする」という事がニーズとなります。対して中規模スーパーは「専業主婦」を顧客層にします。そして、専業主婦が重要視している事が「品質」であるという事が分かりました。
【機能(WHAT)】品質:ワンストップショッピング
そこで、中規模スーパーは「品質」を維持するために「徹底した温度管理」を「技術=How」として売上を伸ばしていくのです。
【技術(HOW)】立地、徹底した温度管理:まとめ買い
ドメインの設定の注意点
⇒ドメインの決定のよって、企業の存続が危険になる場合もあります。
有名な事例に「アメリカの鉄道会社の衰退」があります。
かつてのアメリカの鉄道会社は、ドメインを「鉄道事業」と定義していました。しかし、「鉄道を走らせる」というドメインの設定では狭すぎて、自動車や航空機等の他の輸送機関の台頭に対応できず衰退してしまったのです。
ドメインの設定が広すぎる場合 | ドメインの設定が狭すぎる場合 |
・経営資源が分散する | ・顧客ニーズに対応できない |
・様々な業界と競争が発生する | ・その事業が競争に敗れると企業の存 続が危ぶまれる |
↑
こちらの図はとても重要なので、どれに対応しているのかぜひ覚えておいてください^^
ドメインは、将来のビジネス環境変化に適用できるように、適切な範囲に定義することが重要です。
広すぎず、狭すぎない適切な範囲を設定することが重要であり、企業が成長を図るためには、ドメインの見直しと再定義が必要になる場合もあります。
ドメイン決定の意義
・投資の意思決定の範囲を絞り込むことができる。
→広い市場の中から「事業領域」を絞り込むので、そこに集中して投資して行けば良い。先ほどの「ハンマー投げ」の例えと同じです。
・必要な経営資源が明確になる。
→「やるべき事」が決まれば、そこに必要な経営資源は自ずと明確になります。
・社内・社外に自社のアイデンティティや基本的性格を示すことができる。
・自社の競争優位性が明確になる。
→ドメインの設定で「自社の個性」がハッキリするので「他社との比較」「競合との差別化」が図りやすい
・事業戦略の基礎になる。
ドメイン設定の留意点
・広すぎず狭すぎず、バランスを考える。
→あまりに広すぎると漠然として差別化が出来ない。狭すぎると売上があまり伸びない
・ドメインは将来の企業の運命を決めることになるため、慎重に検討する。
→ドメインに基づいて戦略を立てていくので、ドメインを間違うと間違った戦略を立てて行く事になる
・トップだけでなく従業員にまで、ドメインを浸透させる(ドメインコンセンサス)。
→ドメインそのものは「トップ」が決めるのですが、それを実行するのは「現場の従業員」という事になりますので、ドメインを「トップだけが知っている」というのは意味がないのです。
・外部環境が変化した場合、ドメインの再定義を検討する。
→「ドメイン」というモノは「1回決めたら未来永劫変えてはいけない」というモノではありません。ビジネス環境が変われば、それに応じて変えて行くものなのです。
例:任天堂
【創業時】大人向けの遊び道具(花札)⇒子供向け遊び道具(ファミコン)⇒スマホの台頭(これから再定義)
ドメインの定義と影響
ドメイン定義の考え方には「機能的定義」と「物理的定義」の2つがあります。
物理的定義:「鉄道事業」を「鉄道」と定義するように、どのようなモノを提供するかを中心にドメインを設定すること
機能的定義:「鉄道事業」を「輸送サービス」と定義するように、どのようなコトを提供するかを中心にドメインを提起すること
メリット | デメリット | |
機能的定義 | 事業の将来的な発展可能性がある | ターゲットとなる顧客や事業の性格が 不明確になりやすい |
物理的定義 | ターゲットとなる顧客や事業の性格が 明確になる |
将来的な視野が持てず、 現在の事業領域を超える発想が出にくい |
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ここはよく出題されやすいところなので、この表と特徴、メリット・デメリットを覚えておいてください^^
コア・コンピタンス
⇒ただの「強み」ではなく「競合との相対的な強み」という事です。
→コア・コンピタンスとは企業の競争力、創造力の源泉として、基盤となる能力のことです。プラハラッドとハメルは条件として次の3つを挙げています
①多様な市場へのアクセスが可能(多角化した事業にも共通に使える)
→コア・コンピタンスとは一つの事業や一つの製品などに対してではなく「その企業全体の根っこ」となるモノの事です。
例えば「シャープの液晶」であれば、「モニター」「電卓」「カーナビ」など、多様な事業にアクセスできる。という事です。
②最終製品が消費者利益に貢献する
→例えば「素晴らしいエンジン」を作ったとしても「乗り心地の悪い車」では「最終製品が消費者の利益に貢献している」とは言えない。という事です。
③競争相手が模倣しにくい
+情報的経営資源(ノウハウ、スキル、技術など)であれば、競合に模倣されにくい
経営戦略に関するその他の知識
1:先発企業の優位性
先発企業:「新興市場」に「いち早く参入する企業」という事です。
後発企業:後から参入する企業
先発企業が後発企業よりも有利になる理由は次の通りです。
1:顧客の中に参入障壁を形成できる
→【先発企業のメリット】例えば、「新興市場」に先発企業が「車」を売っていたとして、後発企業が参入しても、すでに新興市場の人たちは車を持っているので2台目はなかなか買わない。という事です。
2:早期に経験曲線効果(後述)を得られる
3:希少資源を利用できる
4:利用者の生の声を吸い上げられる
5:うまみのある市場を獲得できる
6:技術的リーダーシップをとれる
7:切り替えコストの発生を利用できる
→「(1)の参入障壁」の例の続きで、先に先発企業の車を買って、そのあとに後発企業の車を買おうと思ったら、以前の車は捨てなくてはいけないので、そのようなコスト(切り替えコスト)が発生してしまう。
2:経験曲線効果
→【先発企業のメリット】経験曲線とは、経験を積むことによって総付加価値コストは低減するという経験曲線効果をグラフ化したものです。
経験曲線効果とは、簡単に言ってしまえば、たくさん作ればコストが下がるという効果です。
→簡単に言えば「同じものを作り続けていると慣れてくるからスムーズなる」というイメージです。
多くの研究結果から製品の累積生産量が2倍になると単位当たりのコストは20%~30%低減するということが知られています。先発企業は後発企業に比べて、大きな経験曲線効果を得ることができます。
3:希少資源の利用
人材なども含めて「希少資源」を他社より先に入手し、それを独占することができれば、後発企業の模倣による参入を防ぐことができ、持続可能な競争優位を獲得することができます。
→【先発企業のメリット】「物質的な資源」もそうですし、「人材的な資源」にも言えることです。大袈裟ですが「新興市場にその人しか作れない技術を持っている人」を先発企業が雇った場合、後発企業は、その技術がないために参入する事が出来ないのです。
4:先行企業の不確実性
ただし、先行企業にもデメリットがあります。進出した市場で投資に見合う収益をあげることができるか、不確実であるため、調査にかかるマーケティング費用が莫大になります。
→【先発企業のデメリット】そもそも、新興市場が「ちゃんとした市場」なのか分からない(不確実性)。
5:後発企業の参入
新興市場の不確実性が高い場合、ビジネスの機会が確実になってから参入することで、先発企業に比べてマーケティングや市場開拓などのコストがかからず、優位となります。
→【後発企業のメリット】新興市場のインフラ(流通など)を先発企業が整備しなくてはいけないので、インフラ整備など「ビジネスを始めるまでのコスト」が掛かるという事です。反対に後発企業は「先発企業が整備が整ったあと」に参入して行けば良いという事になります。
という感じで「ドメイン」を中心に「コア・コンピタンス」や「その他の経営戦略」と長丁場になりましたが、何度も繰り返し学習していきたいですね^^
という感じで今回はこのへんで失礼します。
私が中小企業診断士の試験合格のために学習している通信講座はこちら
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今回の動画は「商売繁盛・縁結びのパワースポット」下板橋氷川神社です^^
ご覧いただいたすべての人に幸運が訪れますように♪