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成長戦略・多角化戦略:中小企業診断士試験【1次・企業経営理論】

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こんにちは

クローバーです^^

 

今回の中小企業診断士試験のまとめは1次の企業経営理論の「成長戦略」と「多角化戦略」です。

 

【目次】

 

 

 

成長戦略

⇒企業の内部の視点(企業の内部に着目した視点)で「戦略の中で核となる項目」

→2次試験でも使う項目になりますので「暗記だけではなく理解する事」が大事になります。

 

1:成長戦略

⇒成長戦略とは 企業全体の複数事業を対象にして、「企業の方向性」や「事業領域の策定」に関わる全社的な成長戦略とは、企業全体の複数事業を対象にして、企業の方向性や事業領域の策定に関わる全社的な戦略のことです。

企業は、経営環境の変化に合わせて、既存事業の枠を超えた新規事業領域への参入を検討します。

→これからどのようにして新規事業領域に入って行くのか、そして成長していくのかを考えるのが「成長戦略」という事になるのです。

 

2:アンゾフの成長戦略

アンゾフは、事業拡大の手法として下記図のように、二つの軸(新製品の展開・新市場の展開)でパターン化し、4つの方向を示しました。

 

①市場浸透戦略

市場浸透戦略は、既存の製品分野と既存の市場分野との組み合わせです。

既存の製品群で既存の 市場ニーズを深耕していく成長戦略で、広告宣伝費や販売促進費を投下して、既存の製品群を既存の市 場に浸透させ、売上高やマーケットシェアを高めていく方法で、既存製品を既存の市場に販売することで 成長を模索するため、比較的リスクは少ない戦略となります。

 

→「既存の製品」を「既存の市場」に投入する戦略。大体の企業は「現在のお客さん(市場)」に「現在の商品(製品)」を販売促進活動をして売上高やシェアを上げていく。

その場合に「既存の市場がこれ以上大きくならない」とか「シェアをある程度取ってしまったのでこれ以上シェアを上げられない」という場合には次の「新製品開発戦略」や「新市場開発戦略」と展開していくのです。

 

②新製品開発戦略

新製品開発戦略とは、既存の市場に対して、新しい製品を販売して成長していこうとする戦略です。

新製品の開発、新品種の追加を行い、売上高やマーケットシェアを高めていくものです。

 

例えば、それまでTシャツしか手がけていなかった企業が、これまでのミセス向け市場に対して新しく伸縮性の高いパンツを販売するようになるといったものです。

→「現在のお客さん」に「新商品」を提供する

例:車のモデルチェンジなど

 

③新市場開拓戦略

新市場開拓戦略とは、既存の製品群を、新規の顧客層や海外市場の開拓など新しい市場に向けて販売 することにより、成長を図る戦略です。

例えば、国内でしか販売していなかった製品をアジアなどの海外市場に輸出したり、工務店を顧客にして耐震診断を請負っていた企業が、直接マンション住民に営業を始め たりといったものです。

→「現在の商品」を「新しいお客さん」に販売する。

例:今までは「企業相手の販売」を「一般消費者向け」に販売するなど

 

④多角化戦略

多角化戦略は、新しい製品分野と新しい市場分野で成長を図る戦略です。

→アンゾフさんが最も言いたかったこと

 

 

 

多角化戦略

新製品を新市場に投入する戦略です。

多角化は、さらに「関連多角化」と「非関連多角化」に大別されます。関連多角化は生産設備や流通チャネルなど何らかの関係性がある分野への多角化です。非関連多角化は、全く関連のない分野への多角化です。

一般に、関連多角化の方が、成功確率が高いといわれています。

→新しい製品を新しい市場に提供する【=新事業の展開】

例:トヨタの住宅事業なども「多角化戦略」

 

・関連多角化

⇒先ほどの「トヨタ」の例で言いますと、「トヨタ」は「自動車のメーカー」というイメージが強いです。「住宅」と関連がなさそうですが、実は「自動車の組み立て技術」を使っているのです。(自動車の組み立てシナジー)

 

多角化戦略の採用動機

(1)市場機会の認識

経営環境の変化に伴って、魅力的な新しい事業分野を認識した場合、その事業領域へ経営資源を投入するため、多角化を図ろうとします。

→簡単に言えば「魅力的な市場」が見つかり、「あそこに行けば儲かりそう」という事で、その市場に進出したという事。

 

(2)余剰資源(組織スラック)の活用

利用していない設備や人材など、余剰な経営資源(スラック)を有効に活用することで、範囲の経済性を得ることができるため、多角化を図ろうとします。

 

余剰資源:利用していない設備や人材。簡単に言えば「活用していない経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)」

例えば、「使っていない機械」を新規事業で使うなど。

 

範囲の経済:単一の製品を生産するより、多角化により複数の製品を生産する方が、経営資源の多重利用ができるためコストは低くなる、という効果。

例えば、一つの機械を「商品A」を製造するために14時間、動かしているとしたら、残りの10時間で「商品B」を製造する。とか、もう一つに例えで言うと「一人の営業マン」が「一つの商品」を売るよりも「複数の商品」を売り歩いた方が効率が良い。という事です。

 

(3)事業リスク分散

複数の事業を営むことで、特定事業の業績が悪化しても、他の事業でカバーする(ポートフォリオ効果)ため、多角化を図ろうとします。

→複数の事業をやっていると、一つの事業が倒れても他の事業があるので「会社として倒れにくい」ので「多角化することでリスクの分散」をします。

 

(4)シナジーの追求

複数の事業を営むことで、生産設備や販売チャネルなどの、経営資源の共有や保管を行い、相乗効果を図るため、多角化を図ろうとします。

しかし、過度に多角化を図ると、自社のビジネスは何かというドメインが曖昧化してしまうため、注意が必要です。

→「多角化のデメリット」として「過度な多角は自社ビジネスのドメインが曖昧になる」という事が挙げられます。

 

多角化の手段

多角化の手段として、内部成長方式と外部成長方式があります。

 

内部成長方式とは:

内部成長方式自社の経営資源を活用して事業を展開し成長する手法。

→先ほどの「組織スラッグ」を活用して「新規事業を展開していく」という事です。

 

外部成長方式とは:

外部環境の変化により 企業に新たな事業への参入を促す場合であり方法としては戦略的提携や外部環境の変化により、企業に新たな事業への参入を促す場合であり、方法としては戦略的提携やM&Aがあります。

→簡単に言えば、ある市場に「ビジネスチャンス」があるとすれば、やっぱり参入したくなり、多角化で参入することです。

 

多角化失敗の主な原因

多角化が失敗する主な原因として以下の3つが挙げられます。

 

1:「成長市場である」ということ以外、十分な環境分析を行わなかった。

→よくあるのが「社長の鶴の一声」で新規事業を始めたが失敗に終わる。という「中小企業ではよくあるケース」

・諸説ありますが、新規事業成功する確率は「5%未満」とも言われています。なので新規事業を始める前には「しっかりとした環境分析」が必要になるのです。

 

2:自社が持つ経営資源以上の多角化を進めた。

→簡単に言えば「身の丈に合ったビジネス展開が必要」という事です。

古い例ですが「ホリエモンのライブドア」です。

かつて「М&A」で企業買収し拡大しましたが「身の丈以上」だったのかも知れません。ホリエモンの逮捕時に「生き急いだかな」というコメントは有名です。

 

3:自社と同じような多角化を競合他社も行った。

→自社が多角化したところ、競合も多角化したため「競争環境は変わらなかった」という事です。競合は同じような経営資源を持っているので進んで行く方向が似てしまいやすいので「競合の動向には注意してみておく」という事が大事なのです。

 

多角化戦略の類型

多角化戦略は、多角化する市場や

製品分野により水平的多角化、垂直的多角化、集中的多角化、 集成的多角化の4つに整理することができます。

 

関連多角化:水平的・垂直的・集中的

非関連多角化:集成的

 

1:水平的多角化

既存製品と同じ市場や顧客を対象にして、新製品を投入する多角化のことです。

例えば、「若い女性が顧客層(ターゲット層)」の化粧品会社がダイエット食品やサプリメントを扱うことで、事業範囲を広げるのがそれです。

→顧客層のニーズがとても似ている

 

2:垂直的多角化

既存市場の川上や川下に進出する多角化のことです。川下への多角化を「前方的多角化」、川上への多角化を「後方的多角化」といいます。

→事業分野がまったく同じ状態で、「川上」「川下」へ多角化する。

※原材料に近い方を「川上」⇔消費者に近い方を「川下」

 

例えば「アサヒビール」の「スーパードライ」が爆発的に売れた時に「アルミ缶」が無くなり、一時的に出荷停止になりました。その時に「アルミ缶会社(=川上)をM&Aして買収」して、「関東地方に弱い」という事がありましたので「関東地方にショットバーやビアホールなどのアンテナショップを展開」するというのが「川下展開への垂直的多角化」と言えるのです。

 

3:集中的多角化

既存事業の技術やマーケティングと関連がある新製品を、新市場に投入する多角化のことです。

例えば、「ヤマハ」は「楽器メーカー」で有名ですが「高級家具事業」にも多角化展開しています。木工技術の組み合わせ(シナジー)によって、高級家具事業に多角化したのです。

 

4:集成的多角化

既存製品や既存市場とほとんど関連のない分野に進出する多角化のことです。リスクが高い多角化といえます。

 

例えば、ソニーがソニー銀行などの金融事業に進出したのがそれです。

別名コングロマリット化といわれます。

 

という感じで大きな企業などで行われている「多角化」を例にするとイメージしやすい項目なのかなと思います^^

 

「暗記」ではなく「理解すること」で2次試験まで通用するようにしていきたいですね^^

 

という感じで今回はこのへんで失礼します。

 

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