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ドラッカーの教え【佐藤等氏】:強みを生かす・学びのプロセス

 

こんにちは

クローバーです^^

 

今回は仕事と人生に生かすドラッカーの教えで「強みを生かす・学びのプロセス」です^^

 

【目次】

 

 

 

人の強みを世のために生かす

・天に与えられた美点をどこまで発揮させることができるか。

人の美点、つまり強みを生かすことは、ドラッカーのマネジメントにおいて特別な意味をもちます。なぜなら人の強みを「組織の基盤となる原理」に置いたからです。

 

・組織の社会的な目的の達成とは、魅力的な製品やサービスを提供することで人に喜ばれることです。

組織という道具を発明した人類は、これを人の幸福のために使わなければなりません。

 

・組織という器には、ヒト、モノ、カネなどの経営資源が収められています。モノやカネそのものには、色がついていません。調達能力に差があるだけです。

しかしヒトだけは十人十色、その個性はどれ一つ比べても同じではありません。そして人の強みも個性の中にあります。

 

・組織の公益性と人の能力に関連して松下幸之助翁は、会社経営に成功する三つの条件として示しました。

第一に経営理念を確立すること、第二に人の能力を最大限に生かす環境をつくること、第三に戦略戦術を駆使することです。しかも一(先ほどの三つの条件の一)で五割、二までできて八割の成功は約束されているとしました。

 

 

 

二人の心の師から学んだ人生の心構え

・上田(惇生)先生に六〇歳の誕生日にドラッカーからFAXが届きます。「ミスターウエダ、人生は六〇歳からが本当に面白いんだ。おめでとう」。それは、生涯四〇冊近い著作を出版し、その三分の二を六〇歳過ぎてから世に出した友からのものでした。

この二人のやり取りの話を聞かせてもらい「六〇歳までは人生の準備期間」と心に決めた四五歳の私がいました。

 

・ドラッカーが二〇世紀の終わりに人が働く寿命が組織の寿命を超えたと指摘しました。日本も例外ではありません。つまり多くの人が何度か組織を変えながら働く時代になってきたのです。

 

・これまでは一つの組織で仕事を行うために必要な知識や能力を蓄えて職業人生を終えました。組織に依存しながら必要なことを身につけていった時代といえましょう。しかしこれからは、学ぶことの責任を自ら負う時代になりました。

 

・自らの選択に責任を持つとき、はじめて自由を手にすることができます。組織は人類が生み出した社会的な道具です。人生一〇〇年時代になおさら組織という道具に使われることなく、その道具を使って、自らを成熟させていかなければならないのです。

 

学びの二つのプロセスを知る

・自分をマネジメントする方法について書いた著作の中に、その一端を示す言葉があります。

「本書は教科書ではない。その理由の一つは、成果をあげることは学ぶことはできるが教わることはできないからである。つまるところ成果を上げることは教科ではなく修練である」(『経営者の条件』)

 

・学ぶということは、自分のものにすること、つまり身体能力化 することです。そのため必要なことは、実践や修練です。修練なしに身につく能力は一つもありません。

 

・マネジメント能力や仕事で成果をあげる能力の修得も同じです。ドラッカーの学びのプロセスは大きく分けて二つです。第一に情報を収集すること、すなわち記憶することです。(中略)学びのプロセスの第二は、情報を日常の現実に適用することです。つまり言葉を実践で使うことです。

 

・情報は能力ではありません。ピアニストならば、音階やテンポという情報を記憶することです。ドラッカーは、情報と知識の関係を次のように述べています。

「知識は、本の中にはない。本の中にあるのは情報である。知識とはそれらの情報を仕事や成果に結びつける能力である」『創造する経営者』                        

 

・マネジメントにおいて言葉は重要な道具なのです。しかし情報の取得だけでは不十分です。万巻の書を読んでも自分に変化がなければせっかくの努力も無駄になります。

 

・私は全国でドラッカーの本を読む「読書会」をこれまで七〇〇回以上行ってきました。初めてその著書を手にする人が異口同音に発する言葉に「難しい」があります。「難しい」とは、「理解できない」という意味を暗に含んでいます。そのときの私は、「ドラッカーの本を読んで理解しようとしてはいけません」と伝えます。なぜか。それは、言葉を実践で使ったあとに真の理解は得られるからです。

 

学びにより自らを創り自分を生かす

・人生一〇〇年時代には、継続学習の習慣が不可欠です。誰かに教えてもらうためにセミナーに出たり、本を読んだりして単に「情報を集める」だけでは成果を手にすることはできません。

ドラッカーが九〇歳を超えなおコンサルタントとして仕事をしながら大学で教え続け、二年に一度本を出し続けることができたのは学び続けた成果です。

 

・学び続けるのは、人間を成長させ自分を創るためです。自分を創るのは自分です。そのためには自分の強みを生かすことが大切です。弱みでは成果を出すことができないからです。

「『自らの強みが何か』を知ること、『それらの強みをいかしてさらに強化するか』を知ること、そして『自分に何ができないか』を知ることこそ、継続学習の要である」

(『プロフェッショナルの条件』)

 

・自分の成長を実現しつつ、自分の環境に影響を及ぼしていくことです。そうすれば人生一〇〇年時代は、世のため人のために自分の強みを生かしていく機会に恵まれる実り多き時間となるはずです。意欲を持って学び続け、長寿という点からのギフトを生かしましょう。

 

(2019・5月:学ぶことについて誰かの助けを必要とするようでは、終生学び続けることはできない)