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クローバーです^^
今回は川口雅昭氏・田口佳史氏の人間学やビジネスなどの名言・格言集です^^
【目次】
川口雅昭氏の人間学やビジネスなどの名言・格言集
・「読書尚友」は松陰先生が従弟の玉木彦介の元服祝いに贈った、侍としての心構えを説いた「士規七則」の中にある言葉ですね。「士規七則」第五則に「人古今に通ぜず、聖賢を師とせずんば、即ち鄙夫(ひふ)のみ。読書尚友(しょうゆう)は君子の事なり。」と、「読書尚友」の言葉が出てきます。
・「士規七則」を学生時代に読んだ時、実はびっくりしましてね。「読書尚友は君子の事なり」もそうですが、第六則で「徳を成し材を達するには、師恩友益多きに居り。故に君子は交遊を慎む」と言いながら、実際の松陰先生は「交遊を慎む」どころか、いろんな人たちと簡単に友達になってしまうところがあります(笑)。
・魏の道武帝が李先に「天下で何が一番尊いか」と聞いたら、「書籍に若(し)くなし」と答えたという。また、唐の仇士良という宦官が、「天子に書物を読ませるな。天子が読書して、前代の興亡を知り、いまの状況を憂い、恐れれば、俺は疎斥される」と仲間に教えたと。「これにより、読書の益をしるべき」であると。
・慶應義塾大学の名誉教授の中村勝範先生も、歴史書や歴史上の人物の伝記を読み、その真似をすることが、人としてまともな生き方をするうえで一番重要なんだと、教えてくださいました。松陰先生も、「吾れ常に史を読み古人の行事を看て、志を励ますことを好む」とおっしゃっています。
・松陰先生は「心と体、人間の主人はどちらか」ということを言われ、「心は主公にして耳目口鼻四体は夫々(それぞれ)の下役人なり」と断じておられています。ところが、ほとんどの人間が目に見える世界、手で触る世界、体・欲望の世界に引っ張られてしまう。それをまともな生き方をした人間に触れ、心の世界にひっぱり返すのが学問であり、読書だと説かれているんです。読書をすることで常にまともな人間を見て、絶えず自分のいまの心をチェックが大切なんだと。
・松陰先生は「友とは其の徳を友とするなり」という孟子の言葉を絶賛しておられ、これはつまり、友達との間にこの人といればお金になるとか、地位が得られるとかいう考えは挟むなと。
・松陰先生が我が国の武士として敬慕された楠木正成公についても、「楠公兄弟は徒に七生のみならず、初めより未だ曾て死せざるなり」という言い方をしていますね。ですから松陰先生にとって生きる意義とは、義を実践することです。その精神は滅びないということなんです。
・松陰先生がよく言われているのが「私心の否定」です。とにかく「私」というものがいけないんだと。
・一番影響を受けたのは、やっぱり松陰先生による『孟子』の講義録『講孟箚記』です。(中略)
私の恩師も、戦地に行かれる時に『講孟箚記(こうもうさっき)』だけは持って行ったそうです。私も息子に「俺がいざという時はこの本だけは棺桶に入れてくれ」と伝えています。『講孟箚記』は私の聖書です。
・影響を受けた松陰先生の言葉でいえば、「松下村塾記」にある「学は、人たる所以を学ぶなり」が一番好きですね。それと孟子の「為さざるなり、能(あた)わざるに非(あら)ざるなり」を逆にした「能わざるに非ざるなり、為さざるなり」という言葉も素晴らしい。できないんじゃない、やらないだけだと。
・松陰先生は、「トップ、リーダーが一番学問をせい」と言っています。特に、読書で義や人物の具体的な生き方を学ぶことが大事だと。
田口佳史氏の人間学やビジネスなどの名言・格言集
・(吉田)松陰は「士規七則」の中に、「士規七則、約して三端と為す。曰く、『志を立てて以て万事の源と為す。交(まぢわり)を撰びて以て仁義の行を輔(たす)く。書を読み手以て聖賢の訓(おしえ)を稽(かんが)ふ』」と記していますよね。
要するに体が成長していくように、精神の成長にも段階がある。まずこういう人物になるんだという明確な人物像、志を立てる。その志にどうアプローチをしたらよいか、特に人格向上の要点を具体的なお手本となる友を撰んで一緒に考える。そして、書を読んで聖賢の教えに学ぶ。これが「士規七則」を自分のものにするための三つの端緒なのだというんです。
・「読書尚友」の「尚友」に関して申し上げたいことがあります。「尚友」はもともと孟子の言葉です。『孟子』の中に「其の詩を頌(しょう)し、其の書を読みて、其の人を知らずして可ならんや。是れを以て其の世を論ず。是れ尚友なり。」
とあります。古人の詩や書を知るためには時代背景などもよく論じ、その古人がどのような人物なのかを探っていく必要がある、そうしてはじめて「尚友」と言えるんだと。要するに「尚友」の本源は「論じる」ことにあるんです。
・(横井小楠は)友人には師と同じくした「朋友」、志を同じくした「志友」の二種類しかいないと。そして、その友人と付き合う時に大事なのが、「貴賤を挟まず」「位を挟まず」「年齢を挟まず」、要するに、その人との間に身分や年齢など余計なものを挟んではだめだと言っているんです。
・(吉田松陰は)義を貫いて命が損なわれようとも、それはそれでいいんだと。なぜかといえば、命を惜しまず義を貫いたことを知った後世の人たちが発奮して、自分の志を受け継いでくれるからだと。
・横井(小楠)に「至公至平の天理」という言葉があります。これを簡潔に言えば、命を基軸にした生命尊重社会をつくるということなのです。
そのために排斥しなくれはならないのが戦争ですが、戦争が起こる理由を横井は「割拠見」という言葉で説明しています。「割拠見」を今日風に言うと自分勝手、自分のことしか考えない自国ファースト、利己主義のことです。自国ファーストを主張している国がある限り、戦争は終わらない。
・現代人、特に学校の教師が立ち返らなければならないのは、まさに自己の人格を高めるための「為己(いこ)の学」であり、「為己の学」と「為人(いじん)の学(人に知識をひけらかせるような学問)」を峻別することが、人材を輩出するために重要なのだと横井(小楠)は主張しているわけです。これはいまの日本の教育にも通じる素晴らしい教えだと思います。
・横井(小楠)はね、「至誠惻怛(しせいそくだつ)」という言葉をすごく使うんですよ。
横井が言う「至誠惻怛」は、誠心誠意と人情、惻隠の情が合わさったようなもので、人間に対する「天」の意向というものを大事にしているんです。(中略)横井の天に対する態度は非常に具体的な見方、「あたかも天がそこにあるかのように」という見方なんです。
つまり、常に天の前に出たかのように、自己の良心に従って生きていくことが飾り気のない本当の至誠である。それには民族の違いや国家の違いもない。その至誠をもって国民、あらゆる人を救っていくことこそがリーダーのあるべき姿だと横井は語っています。
・(吉田松陰、横井小楠の)二人の先哲の生き方からいま何を学ぶかという点では、何といっても「理想の追求」だと思います。「理想なんか実現しっこないから適当に現実主義でやろうじゃないか」というのは世の破滅なんです。
・何より「読書尚友」の大事さに気づいてほしいですね。
横井(小楠)が「四書五経」、特に『書経』を友と交わるように読み込んだことによって優れた国家思想をつくりあげたように、古典をその気になって読めば、人生の解答がその中にすべてあるんです。
・とにかく、これだと思った書物を百回は読む。できれば声に出して読む。その普段の「読書尚友」の実践が、これからの日本を導く人物を創っていくのです。