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クローバーです^^
今回は岩井俊憲氏(アドラー心理学カウンセリング指導者)・佐藤等氏(ドラッカー学会理事)の人間学やビジネスなどの名言・格言集です^^
【目次】
岩井俊憲氏(アドラー心理学カウンセリング指導者)の人間学やビジネスなどの名言・格言集
・(アドラーとドラッカーの)二人はとても共通点が多いですよね。第一にユダヤ系のオーストリア人であること。また、ヨーロッパで学問研究に励み、ブレイクしたのはアメリカであること。
・(アドラーとドラッカーの)二人とも非常に学際的というか、いろんな勉強をしていますよね。ドラッカーも経営学の専門家ではなく、政治学や社会学などにも造詣が深い。アドラーは精神科医を修めた人ですけれども、哲学とか様々な学問を取り入れて、独自の体系を創り上げている。こういう点においても共通しているだろうと。
・(アドラーとドラッカーは)アプローチとして質問を重視しています。ドラッカーには有名な「5つの質問」がありますよね。アドラーもすごく質問をするんですよ。カウンセリングの世界では質問するなと教える流派もあります。しかし、アドラーは質問なくしてカウンセリングは成り立たないと考えていました。
・アドラーは一時期、フロイトと九年間にわたって共同研究をしていたものの、考え方の違いから喧嘩別れします。その後、独自の理論を打ち立てる中で、原因論ではなく「目的論」に辿り着いたんですね。人間の行動には必ず目的がある。だから、変えられない過去、原因に目を奪われず、これから何に向かって努力していくかという目標を考える。この未来志向こそ重要だと。
・(ドラッカーとアドラーの)二人に共通しているのは、人間の強みを見ようとするところです。原因論だとどうしても何が問題でそういう弱みになってたのか、その弱みをどう克服したらいいかっていうアプローチなんですけど、そうじゃなくて徹底的に強みを生かそうと。
・飴と鞭による操作に対して(アドラーとドラッカーは)非常に否定的な見解を持っている。これも二人に共通していると思います。本当に人は飴と鞭で動くのだろうか。短期的には動くかもしれないけれども、長期的にはモチベーションを持続させるには有効ではない。
私がアドラー、ドラッカーに賛同しているのは、飴と鞭ではなく、それに代わる内発的な動機づけとして「尊敬」「信頼」「貢献」、こういったものを提示しているところがユニークだと思っています。
・登校拒否は何が原因か、親が悪いんだ、母親が最大の責任者だと。ところがアドラーは違うんです。不登校や非行に走るのには目的があると。親は間接的な原因でしかない。過去の問題探し、悪者探しをやったとして、お母さんは十年前に戻って子供を育て直せますか。無理でしょう。大事なことはいまから将来に向けて何ができるか。これがアドラーの心理学の目的論、勇気づけなんです。
・過去の原因探しがどれだけの害悪を引き起こしているか。原因探しは解説になりますが、解決にはなりません。そういう点においてアドラー心理学は私にピタッとはまり、一九八五年四月にヒューマン・ギルドという会社を設立し、アドラー心理学を普及する立場に入りました。
・アドラーは共感について、「相手の目で見、相手の耳で聞き、相手の心で感じる」と定義しています。つまり大事なことは、クライアントの目で見るとどう見えるだろうか。クライアントの耳で聞くとどう聞こえるのだろうか。クライアントの心で感じるとどう感じるだろうか。
これはアドラーの共感を重視するカウンセリングスタイルであり、理論だと思うんですね。だから、出逢う人はすべて自分の未経験なことを教えてくれる師であると。このアドラーの姿勢から私たちが学ばない手はないだろうと思うんですよ。
・アドラー自身、子供の頃に「くる病」を患って、大人になっても身長が百五十四センチしかなかったんです。ですから、アドラーの一九〇七の著書は『器官劣等性とその心理的補償の研究』で、他者との比較による劣等感がテーマだったんですけど、やがて自分の目標と現実のギャップによる劣等感に転換します。で、アドラーが盛んに言うのは、後者の劣等感は進歩向上のモチベーションになるから、病気でも悪者でもないと。むしろ、大事な味方であるというメッセージを発しているんです。
・私は研修のスローガンに、「自己変革なくして組織変革なし」と掲げています。自分のことは棚に上げて、お前が変われと命令する人もいますけど、変わりはしません。人からそうやって言われたら抵抗するか。あるいは面従腹背するか、どっちかでしょう。
だから、あなた自身が変えてみせること。何か一つ変えることで個人の生活はもとより、職場も変わるし家庭も変わります。自己変革こそ組織変革に繋がる重要な道だと思います。
佐藤等氏(ドラッカー学会理事)の人間学やビジネスなどの名言・格言集
・ドラッカーは質問が多いんですね。「正しい問いを使いなさい。」こうドラッカーは言いました。正しい答えを求めようとするのが今の風潮、我われの癖みたいなものなんですけど、正しい問いを使いこなすことによって、その時々に正しい答えを自分で手にしなさいと。
・なぜいまアドラーやドラッカーが注目を集めているかと考えると、ドラッカーの本に出てくる「ポストモダン」という言葉にその答えがあるように思います。
ポストモダンという言葉はいろんな場面で用いられていますけど、ドラッカーは近代合理主義の次の時代という意味で使っているんですね。
・ドラッカーの言葉でいうと「新しい現実」とか「それぞれの現実」ですね。真実はあるけど、人智ではそこに到達できない。見え方は人それぞれで、意見というのはその人が見た現実にすぎないと。具体的には例えば、全会一致の時は意思決定するなとドラッカーは教えています。
反対意見が出ないということは同じ一面しか見えていないということで、それでは検証が不十分だと。だから、全会一致の現場では意思決定してはいけない。これは特徴的な考え方だと思います。
・もともとドラッカーは事業のマネジメント、組織論から入っているんですけど、年代と共に段階を踏み、最後に人のマネジメントという領域に行き着いたんです。
ただドラッカー自身の中で、人のマネジメントについて完結したところまでは、実は書き切れていない部分がありましてね。ドラッカーの書き遺した筋道を延長していくと(中略)内発的動機づけ理論に行き着くだろうと思うんです。
・いまでも多くの方にアドラーやドラッカーが読まれているのは、人と一緒に働く難しさ、人間関係、コミュニケーション、そこに現代の問題課題が集約されているからではないでしょうか。
・(ドラッカーの本に感動したところは)やはり実践をいかにするかということに尽きると思いますね。『経営者の条件』の前書きに「マネジメントとは、模範になることによって行うことである」という記述があって、マネジメントとは人をコントロールする方法じゃないことに衝撃を受けました。
・私も小さいながら組織を運営していますし、経営者とお話しする機会も多いんですが、自ら率先垂範しないとこれから先は生き残ることが難しいという思いをすごくさせられたんです。
・ドラッカーの本の中に、アマゾンで蝶が羽ばたけばテキサスに雨が降るというバタフライエフェクトの話が出てきます。要するに、どこでどう繋がって何が起きるか分からないので、ささやかなことを大事にしようと。私もそのささやかなことを信じて、各地で読書会をやってきました。
・(ドラッカーの)読書会をやって初めて気づくことがありまして、ファシリテーターとして前に立つというのは、「人に教える時が最もよく学ぶ」というドラッカーの言葉をまさに実践する場で、ファシリテーターが間違いなく一番勉強させてもらっています。
・(ドラッカー中で特に影響を受けたのは)たくさんあってなかなか絞り切れないんですけど、まずはやはり『経営者の条件』ですね。「ポータブルスキル」という言葉があるくらいで、いまの若い人は転職や副業が当たり前になってくる時代の中で、どこに行っても通用するスキルを求めたがる。でもスキルだけでは乗り越えられないんです。『経営者の条件』にはスキルではないものとして、「成果を上げる五つの能力」が位置付けられています。「一、時間を管理する 二、貢献に焦点を当てる 三、強みを生かす 四、重要なことに集中する 五、成果を上げる意思決定をする」です。
この中で特に重要なのは強み、時間。人が持っているのはこの二つだから。時間も強みも個人のものですし、誰にも奪われない。使うのは自分です。
・ドラッカーの本にも、「継続と変革」という言葉が並列で出てきます。やはり目的と手段の関係で、継続するためには変化する読み方をしないといけないと思うんです。
・私が好きなドラッカーの言葉は「何によって覚えられたいか」というものです。(中略)
これは私の師匠である上田先生の座右の銘でもあり、ドラッカー自身が生涯使ったものでもあります。言葉としては非常にシンプルな問いですよね。
この問いに向き合って何年か過ごしたことがあります。で、自分の中で出した答えの一つは、「ドラッカー思想を世界一易しくかつ実践的に伝えた人と憶えられたい」と。この言葉に行き着くまでに三年くらい考え続けました。
・ドラッカーの本の中に、「情報はマネージャーの道具である。その情報とは書き言葉であり読み言葉であり数字である」と書いてあるんですね。私はそれを短縮して「言葉は道具である」という使い方をさせてもらっているんですけど、読書を通じて得た知識を日々の生活にどう生かすか。その実践こそがすべてですよね。
様々な本を読む中で、自分が手にした道具を使って世の中を変えていくことができればいいなと思っています。