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事業の目的と利益に関して

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今回は「ドラッカー経営学」より

「事業の目的と利益に関して」について話して行きます。

 

【目次】

 

 

 

事業の目的~顧客の創造~

 

「顧客の創造」と言えばドラッカーの言葉の中でも有名な言葉の一つです。その辺りのことを踏まえて話を進めていこうと思います。

事業をするにあたり、利益だけを追求すれば良いという考えでは正しい考えとは言えません。確かに利益が出ない事には会社は存続することは出来ませんし、事業を続けて行く事が困難になります。ですから利益を追求することはもちろん重要な事なのですが、それと共に「社会に貢献する」という考えを持つことが重要な事になるのです。

ただ単純に「利益だけ出せばよい」という考え方では役に立たない商品や土地などを言葉巧みに売ればよい。という考えになってしまうかも知れません。それでは社会に対しての貢献も出来ませんし、顧客を創造することも出来ないでしょう。

ですから「売れば良い」という考えを会社の目的に掲げるのではなく、「社会の特定のニーズに貢献する事」を会社の目的に掲げ、「貢献=売上」と考えて「自社の望む価格で購入してくれる顧客を創造する事」が会社の目的になります。

 

市場を創造する

 

例えば、あなたがとてもお腹が減ったとしたら何を思うのでしょうか?多くの場合は「お腹が減ったから何か食べたい」と思うでしょう。あなたが「お腹が減ったから何か食べたい」と思う事は「潜在的な欲求」になりますが、そこにお弁当を売っているお店があったとしましょう。そこでお腹が減ったからお弁当を買うという事で「需要と供給」の結びつきが生まれて顧客と市場が創造されるのです。

また、あなたが「そこまでお腹が減っていないケド、何か食べたいような気がする」という場合の時もあるでしょう。その状態では先ほどの様に「潜在的な欲求」は生まれていません。そのような時に先ほどのお弁当屋さんがとても興味をそそられるようなキャッチコピーや魅力的な商品の看板などであなたが「そんなにお腹が減っていなかったケド、食べたくなった!」と思ってお弁当を買ったのであれば、そこに「需要と供給」が生まれて「広告活動」により「顧客を創造する」という事になります。

 

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売上を上げる事も「顧客を創造する事」

 

何となく分かったような分からないような。という感じかも知れませんが、「顧客を創造する」というは様々な解釈があるかも知れませんが、ここでは「売上をあげる事と考える事」としています。なぜなら「顧客とは買ってくれる存在」だからです。

企業はボランティアではなく、利益を得ることを目的にしている組織団体ですから「買ってくれる存在」を無くして成り立ちません。利益が出なければ企業が存在することは出来ないのです。とは言え、先ほどもお話しましたが「利益だけを追求すれば良い」というモノではなく「社会に貢献する」という事も忘れてはいけません。

「社会」を構成するのは「顧客」ですので、「顧客の生活にサービスや製品で貢献する」という事で、その顧客を満足させることで売上も上がります。これが企業の社会貢献の一つであり、先ほどの「そんなにお腹が減っていない」という「潜在的な欲求」が薄い人に対しても「買いたい、食べたい」という気持ちにさせるような広告やキャッチコピーなどの「手段」を提供することも「顧客を創造する」という事なのです。

 

 

 

利益の4つの役割

 

企業にとって「利益」というのは、その企業が存続するために「無くてはならないモノ」です。どれだけ素晴らしい考え方や信念があっても会社を運営するための資金を創ることが出来なければ、その会社は運営することが出来なくなるのです。先ほど「企業の目的は顧客を創造する事」という話をしましたが、ドラッカーは「利益は結果であって目的ではない」と言います。それと同時に「会社を経営するうえで必要不可欠なもののであって、なくてはならないもの」としています。「無くてはならないモノ」という意味で、「動植物にとっての空気・水・食料と同じ」と形容しています。

 

そして、利益には「4つの役割」があるとしています。

その4つの役割とは

1、投資の積み立て

2、業績悪化への準備

3、資金誘導するための元手

4、事業の有効性を計る物差し

としています。

 

利益を目的にするという事

 

先ほど「ドラッカーは利益は結果であって目的ではない」と言っていた。という話をしましたが、「利益だけを目的にした場合」というのは、どのようなことが起こるのでしょう。

「利益」というのは単純に「売上ー(マイナス、引く)費用」となりますので、売上を上げて費用を抑えれば、利益は出ます。もちろん、そんなに単純に利益が出るワケではない。という話はここではせずに、その仕組みの話をして行きます。

 

先ほど「利益=売上ー費用」という話をしましたが、ただ利益だけを目的にした場合、売上を上げるために顧客に高く売り、仕入れ先から安く買いたたき、費用の大部分である人件費を抑えることで利益は最大に出るでしょう。ただ、そのような会社経営の仕組みが長く機能する事はないでしょう。ですが、利益だけが目的になれば、そのような事をやって行くのが人間なのです。誰でも知っているような企業でも「ブラック企業」と呼ばれているところは、もしかしたら目的が「社会貢献」や「顧客の創造」ではなく「利益のみ」になってしまっているのかも知れませんがどうでしょうか。