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鍵山秀三郎氏・太田嘉仁氏・佐藤信博氏の人間学やビジネスなどの名言・格言集

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こんにちは

クローバーです^^

 

今回は鍵山秀三郎氏・大田嘉仁氏・佐藤信博氏の名言・格言集です^^

 

【目次】

 

 

 

鍵山秀三郎氏の名言・格言集

・江戸後期の農政家で、生涯に約六百村の復興を成し遂げたといわれる二宮尊徳翁は、「遠きを謀る者は富み、近きを謀る者は貧す」という言葉を遺しました。

現在の社会を見ると、この尊い遺訓とは正反対に、いまのこと、目の前のこと、自分のことばかりに汲々としているから行き詰まりを来しているのです。

 

・因果はこの世の道理ですが、現実には行動(因)の結果(果)がすぐには現れないこともしばしばあります。むしろ結果が約束されていないことこそ大事なことが多いのです。

かつての日本には、そうした結果がはっきりと約束されていないことに対しても、一所懸命に取り組む人がたくさんいました。

 

・いまの社会は、果(結果)が明確でないことは避けてしまう傾向が強くなっています。

会社組織においても、確実に結果が得られる事でなければ容易に挑戦を許されない風潮が蔓延し、そのために将来の可能性を自ら狭めてしまっているのです。

 

・江戸時代の思想家・三浦梅園は、社会の実情を見通すかのような言葉を残しています。

「悪弊盛んに世に行わるれば精金皆隠る」これは、悪貨は良貨を駆逐するという意味ですが、転じて、あぶく銭が世に蔓延すれば、額に汗して得られるお金は失われてしまう。

結果的に借金は山積し、事業は低迷し、人が潤い、社会が振興することはないのです。

 

・日本には「気が咎める」という言葉があり、かつては自分を律して、他人が嫌がること、迷惑になる行為をなるべき避けようとする自制心を働かせる人が多くを占めていました。

日本に比較的争い事が少なく、皆で和やかに暮らしてこられたのは、この特有の文化のおかげでした。

 

・遠くを慮(おもんばか)り、たとえ果(結果)は保証されてなくともよきことに一所懸命取り組むこと。他人に迷惑をかけまいとする慮りを働かせること。

先人が育んできたこうした尊い心を取り戻すことで、我が国のいまの閉塞感を打開し、明るい未来を築いていくことを私は願ってやみません。

(鍵山秀三郎氏・2018.8月)

 

 

 

大田嘉仁氏の名言・格言集

・最終的にJALの再建には3つの大義があるということで、(稲盛和夫氏は)会長就任を受諾されたわけです。

3つの大義というのは、一つ目が、再建に通じて不振を極めていた日本経済に灯りを点すこと。二つ目は残された社員の雇用を守ること。三つ目は、航空業界に健全な競争環境を維持すること。

この三つの大義に照らして、世のため人のために役立つのであれば、引き受けざるを得ないと判断されたわけです。

 

・稲盛(和夫)さんはJALの会長に就任された時から、三年で再建を成功させると宣言されていました。京セラで培ったフィロソフィとアメーバ経営を導入すれば再建できると。

 

・会社が倒産して可能な限り予算を抑えなければならない状況下で、(JALの)現場の人は「我われは月々何百億もの予算を使っているんです」と自慢気に説明されている。これはあかんと思いました。

 

・あからさまに他の部署を批判するのが当時のJALという会社の特徴でしたね。

現場に行けば「倒産したのは、天王洲の本社のせいです。」本社の人は「自分たちの経営戦略を、現場の人が守ってくれないんです」と。

 

・特に経営数値がなかなか出てこないのは大きな問題でした。(JALの)幹部の人たちも現場の人も、数字にまったく無関心。経営数値が公表されていませんでしたから関心の持ちようがないんですけれども、特に問題はないんだろうと皆思い込んでいる。

さらに問題だったのは、利益を追求し過ぎるとろくなことがないという考えが支配していたことです。

 

・(当時)もう八十に手が届こうかという高齢にもかかわらず、誰もが失敗するという困難な仕事を無給で引き受けられたわけですし、稲盛(和夫)さんの日々の言動の一つひとつには、JALを救いたいという思いが溢れていましたね。

 

・私が稲盛(和夫)さんから学んだのも、誠実さと、いま佐藤(信博)さんがおっしゃった愛情です。

 

・稲盛(和夫)さんがおっしゃる利他も、「大きな愛」と解釈すると分かりやすいと思うのですけれども、やっぱり現場の社員を思いやる心がないと、変革は成し遂げられないと私は思うのです。

 

・全員参加の経営を実現するには、やっぱり社員に愛情を注ぐことが大事です。そういう利他の心、大きな愛こそが、稲盛経営哲学の神髄であり、変革実現させる要諦だろうと私は考えます。

 

・組織としてルールを守ること、正しいことを追求していくことはもちろん大事ですが、そのためには社員をがんじがらめにしてはいけない。ベースには愛情が必要で、その二つは車の両輪だと思います。

 

・その役員はJALの企画部長も務められたエリート中のエリートで、社長候補でもありました。その方が稲盛さんの考え方をもっと早く勉強していたらJALは倒産しなかっただろうという趣旨の発言をなさった。やはり責任を感じておられたと思うんですよ。

そして、ご自分がそこで頭を下げなければ皆がまとまらないと判断なさった。立派な方だと思いました。

 

・立派な本を書いていたも、会ってみたらいい加減な人だったという例は多いと思うのですが、実際に稲盛さんに会って話を聞いてみると、本に書いている以上にすごい人だと分かる。

 

・(稲盛和夫氏にどのような人にJALの将来を託すべきかの評価基準を聞かれて)「JALのことを一番愛していて、真面目で一所懸命で明るい人です」と答えたら「それでいい」と。

 

・言い訳から入るような人は絶対ダメでした。会社を本当によくしようと思ったら、そういうことを吐いててもしょうがないんだと。

稲盛(和夫)さんはそういうことを積みかさねながら、半年のうちに幹部の皆さんの意識をガラッと変えてしまいました。幹部一人ひとりの経営者意識が高まったことが、JALの再建の一番の成功の要因でしょうね。

 

・「人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力」という人生の方程式などを学べたことは非常に大きかったですし、若くてもそうした判断基準に則ってさえさえいればいれば、自分で判断していいと言われるとやる気がでる。

 

・私もそばで拝見していましたけれども、佐藤(信博)さんという方は本当に純粋な方だと心を打たれました。

佐藤さんのように真面目で一所懸命に会社のことを思っておられる方が然るべき地位を得ている。JALというのは、やっぱり素晴らしい会社だとつくづく実感しました。

 

・派遣社員の人たちも、一人ひとりがJALという言葉を聞いて感激するわけですよね。それまではJALの制服を着ていているにもかかわらず、ほとんど教育もせず、情報も教えられていませんでした。

けれども彼らも正社員と同じようにフィロソフィを勉強してもらい、数字をオープンにすることによって、私もJALの一員なんだという自覚が高まって、一所懸命働くようになる。それは大きかったと私も思います。

 

・もう一つ、変革に大事だと思うのはやっぱり本気度ですよ。

経営陣がどこまで本気度を示せるのか。稲盛(和夫)さんを傍でずっと拝見してきて、それが変革の成否を分けることを私は実感しています。

 

・やっぱり変革というのはブレずに一貫してやり続けることが大事です。社員は上司が本気だと思ったらついていくわけで、そのためには、一度こうだと決めたらとことん最後までやり続ける。しかもマンネリ化しないように常に新しい工夫を凝らして行くことが大事だと私は思います。

(大田嘉仁氏・2018.8月)

 

 

 

佐藤信博氏の名言・格言集

・勉強会で稲盛(和夫)さんから、経営のベース、人としてのあり方、上に立つ者として社員をいかに導いていくか等々、いわゆるフィロソフィについてのお話を諄々と説明いただいて、それまでの自分のやってきたことの甘さを思い知らされました。

 

(稲盛和夫さんの教えで印象的だったのは)やっぱり「利他の心」ですね。

稲盛さんのお話にはJALグループの社員に対する深い愛情がひしひしと伝わってくるんです。

「利他」という言葉をそれまでは聞いた事もなかったんですが、「君は誰のために仕事をしているんだ?」と問い掛けられた時には、それまでいかに自分勝手な仕事をしていたかを思い知らされました。

 

それまで整備士の面倒は見てきたつもりですけど、恥ずかしながらその他の人たちのことは全く意に介してなかった。人間を愛しながらしっかり会社を経営していく。そういう強さというものも、私が稲盛(和夫)さんから学んだことの一つでした。

 

稲盛(和夫)さんがアメーバ経営を導入され、部門別採算が実施されてからは、現場社員の間でも数字に対する意識も高まって、各々の持ち場で、いま自分がやっていることがJALのためになっているかどうかと自問しながら仕事をする気運が高まりました。稲盛さんがまかれた種が大きく花開いたわけです。

 

やっぱりそういう深い愛情というのは変革を実現する上で不可欠だと私も思いますね。

 

稲盛(和夫)さんのもとで行われた変革では、社員一人ひとりが我慢しながら工夫し、経営トップも我慢しながら工夫しました。

我慢と工夫を全社員が共有しながら前に進んでいくことが、変革を実現するうえで一番の大きな力になっていくと思いますね。

(佐藤信博氏・2018.8月)